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貧乏症のはじまり

 

16歳の夏、

初めてアルバイトをしました。

 

畑の手伝いをしても

アルバイト代はもらえませんし、

もちろんもらった事もありません。

 

家計的にも払える余裕も無かったのだと思います。

 

農家に生まれれば

畑の手伝いはある意味宿命なのかもしれませんね。

 

しかし16歳にもなれば、

友達と遊ぶお金も欲しいし、

本や雑誌も買いたくなる。

 

ただ残念ながら、

周りを見渡しても畑と海、そして山しかない。

 

アルバイトしようにも、その店さえもありません。

 

バスで1時間程の市内に行けば、

それなりに店もありますが、

通っている高校の校則ではアルバイトは禁止されています。

 

そこで仕方なく父親に相談した所、

知人の店(魚屋)が夏休みの数日間だけ働いてもいいと言う事で、

こっそり働かせてもらう事が出来ました。

 

朝4時から10時まで5日間。

魚屋の開店前の仕事。

 

自給650円。

 

朝仕入れた魚を、冷凍庫に入れる作業と、

前日冷凍庫に入れた魚を出して解凍して陳列する仕事。

 

冷凍庫はマイナス20度で極寒の8畳ぐらいの個室。

 

2トントラックいっぱいの魚箱を一気に冷凍庫へ入れて、

分厚い冷凍庫の戸を閉めて、そこから魚を仕分けする。

 

事前にちょっとは聞いてはいたものの

これが寒いのなんの・・

寒いを通り越して地獄です。

 

吐く息が吐く前に口の中で凍って喋る事も出来ないし、

口の中がからからに乾くし、

口を動かせば、唇がピキピキと音をたててひび割れるし、

体を動かすたびに、体中の関節がコキコキ鳴って、

手袋をはめた手は感触がなくなるし・・

はぁはぁと手に息をかけても、その熱は手には伝わりようもなく、

無我夢中で魚を仕分ける。

 

氷水の中に手を突っ込んで。

 

なぜか氷水の方が温かい・・・

 

しかし寒さに耐えきれず、5分おきに外に出て体温を戻す。

外は真夏で30度を超えていて5分立っていれば汗が出る。

 

外と冷凍庫の温度差は約50度。

 

これこそ経験した人にしかわからない感覚だと思います。

 

その時初めて働いてお金を得る事の大変さを知りました。

 

 

これは父親の策略だったのか?

 

後々思った事ですが、

父親の友人には漬物やもいるし、

大工の友人も、市場の友人もいる。

電気やもガソリンスタンドも・・

 

そこでなぜ、魚屋だったのか?

 

疑問は残るものの、とりあえず19,500円は手に入れる事が出来ました。

(これでは東京までの新幹線代にもならないと思った)

 

冷凍庫地獄から抜け出して

いざ欲しかった本や雑誌を買おうとしますが、

お金を手放すのが名残惜しくなってしまい

レジまで行ったり来たりして結局買えず仕舞い。

 

この不思議な感覚は今でも忘れられません。

 

恐らく私の貧乏症の原因は

この時の地獄で得た19,500円に始まったのだと思います。

 


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