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離婚による一軒家売却・共有名義物件

【事例5  中野区のMさん(男性)の相談】
(※個人情報の関係上、詳細はふせてあります。また相談者には事例掲載の承諾を得ています。)

◎会社倒産と離婚の背景

運送(引越)会社社長のMさんは、10年近く社員50名程の運送会社に勤務をしていたが、朝は5時から夜は10時頃までの長時間労働と、厳しいノルマがあった為、それをクリアする為に休日出勤も多く、体調を壊し、通院の末退社する。

しかも給料も安いし、退職金も無い。

もともと独立願望の強いMさんは、その時の為に、毎月コツコツと貯金をして貯めた数百万円と数名の元部下と共に新たに引越の会社を設立する。

設立するにあたっては、設立資金、車両購入資金、運転資金として、自宅を担保に国民金融公庫からの融資を受け、はれて開業にこぎつける。

しかし、もともと会社から与えられた仕事しかこなしてこなかったMさんは、自ら仕事を取ってくる“営業”をする機会が無かった為、思っていたより仕事が取れず、開業当初より、下請けの仕事が主体になる。

価格競争の激しい業界ゆえに下請けの単価はさらに低い単価。何とか1年近くは持ちこたえるが、融資返済、経費、社員の給料も払えなくなり、会社は倒産する事になる。

自宅を担保に融資を受けていた為、やむなく自宅を手放す決断をする。

会社が倒産すると奥様にも迷惑が係るという事で、書面上の離婚を籍だけはずし、共有名義の自宅を売却する事にする。

Mさんからは、会社が倒産する前に、自宅の査定依頼を受けておりましので、事前にスケジュールを報告してありました。

◎査定と残債、その他の債務

・自宅の査定は4,300万円~4,500万円。
・自宅の住宅ローン残債は2,800万円
・国民金融公庫の融資の残債は1,600万円(担保付)

もしかしたら、自宅を売却するだけで、住宅ローンの完済と、国民金融公庫の残債は完済可能だったかもしれませんでした。

Mさんは、奥様には迷惑をかけられないと、万が一、自宅が4,300万円~4,500万円で売れなかった場合の事を考えて、事前に籍だけはずしておく事を考え、奥様には承諾を得ていました。

これから毎月の住宅ローンの支払い134,000円も支払が出来なくなる可能性もあり、慎重に慎重にという事だったのでしょう。

◎相談から売却への流れとポイント

今回のポイントは・・・
① 自宅が会社の融資の担保になっている
② 住宅ローンは払えない可能性がでてくる
③ 最悪は任意売却の可能性も
④ 社員に給料の未払い金が180万円程度ある

Mさんの希望もあって、離婚し、登記名義人の名義変更を事前に済ませる事にする。
救いだったのが、国民金融公庫の融資の際、初回ということもあって、担保権者であるにもかかわらず、奥様は連帯保証人になっていなかった事。

すぐに売却に取り掛かる。
販売スタート価格を、めいっぱい高めの4,680万円に設定する。

4,680万円で売れれば、自宅の住宅ローン残債の2,800万円、国民金融公庫の融資の1,600万円、売却の諸経費約160万円、給料の未払い金180万円を引くと、-60万円になる。

【4,680万円-(2,800万円+1,600万円+160万円+180万円)=-60万円】

Mさんからは-60万円分も足して売れないかと何度も言われた。

これ以上価格を上げると売りにくくなる理由、時間も係る可能性も出てくる事を説明する。さらに、4,680万円で購入してもらえればまるまるローンを組んでも、総額5,000以内で収まる。そうすると、早く売れる可能性も十分にある。総額5,000万円以上はこのエリアでは難しい事。さらに、指し値が来る可能性があり、同じ結果になる可能性ある旨を理解してもらった。

給料の未払い金180万円全額について、分割などで払う内容の念書でもって、元社員の方には十分説明してもらうようMさんに伝えた。

◎成約

売却自体は、2か月目に4,650万円で成約。(30万円の指し値を受けた)
-90万円という結果になった。

Mさんは給料の未払い金の内90万円は、先に元社員に支払う事に決めているようだった。

購入した方は、パン屋さんだった。3階建ての1階部分がガレージだった為、そのガレージを造作し、パン屋さんにするとの事。この物件の通り沿いには小学校があり、その先に幼稚園もある。いわゆる通学路。

パン屋さんいわく、駅前にはパン屋さんが2件あるが、駅から離れているこの場所の半径200m圏内にはコンビニ以外に、パン屋さんが無いとの事。

また、前面道路が5mなので、パンを買いに来るお客様が自転車を止めても、車の通行には支障がない。

さらに、パン自体を小ぶりにし、価格は80円~120円で販売するそうだ。そうすると、大きさの割にはちょっと高めだが、幼稚園生も一個食べられる。ちょっと残ったという事が無くなるので、お母さんも買いやすくなるそうだ。

後日、Mさんからの連絡で、再度籍を入れたとの事。
結論からいえば、籍を外す必要はなかった。慎重派のさらに上をいく慎重派だったMさん。それほど奥様を思っていたのでしょうね。


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